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住宅ローン減税15 Jul. 2019

不動産の知恵ふくろう

不動産屋の言うことを鵜呑みにしてはいけません~住宅ローン減税編~

住宅ローン減税で困ったしまったお客様の話です。
築35年の木造住宅を購入しました。この物件は、不動産業者が一般の顧客から買い取って、それを販売にかけたいわゆる再販物件です。
このお客様は、売主と直接取引しているわけではなく、間に別の仲介会社が入っていて、この買主側の仲介会社が問題の原因となっています。

お客様のご希望は、住宅ローン減税を利用したいことです。
築後年数要件に抵触するため、耐震基準適合証明書もしくは既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書が必要になります。
売主が不動産業者の場合は、住まい給付金のこともあるので、まずは既存住宅売買瑕疵保険に加入してもらうように交渉するのが妥当です。
再販物件は、売主によってリフォームされているケースも多く、また、売主である不動産業者にとっても、保険でリスクヘッジできるのでそれほど悪い話ではありません。

売主が宅建業者の場合は、売主である宅建業者でないと「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することができないので、売主に断られてしまった場合は、耐震基準適合証明書を検討します。
この「耐震基準適合証明書」は発行時期によって手続きが異なります。
所有権移転までに耐震基準適合証明書が発行できる場合は良いのですが、耐震改修工事を行わないと証明書が発行できない場合は、所有権移転後に証明書を発行する手続きが必要で、この手続きを誤ると、証明書が発行されても住宅ローン減税の対象にならないという状態に陥ります。

所有権移転後のポイントは3つです。
一つ目は、所有権移転までに仮申請を行うことです。
二つ目は、所有権移転に当たって、予め住民票を移しておく「新住所への住所変更」を行ってはいけないことです。
三つ目は、所有権移転後に耐震改修工事が必要だということです。

今回の困ってしまったお客様の状況は以下の通りです
・既存住宅売買瑕疵保険については交渉していない。
・住宅ローンの金銭消費貸借契約済みで、新住所登記のための「新住所への住所変更」を行ってしまっている。(仲介会社からの指示に従った)
・住宅ローン減税は、仮申請をすれば大丈夫とだけ説明を受けていた。
・不動産売買契約後に「耐震基準適合証明書」発行のために、追加工事が必要で60万円かかると言われた。
・所有権移転までの工事は間に合わないと言われている。

売主が宅建業者の場合の考え方は、前述の通りとなりますので、このお客様が取らなければならない行動は「瑕疵保険を使えないか」を、すぐに売主と交渉しなければなりません。
幸いにもこの購入した物件は、新耐震の物件なので、リフォーム済みの物件であれば瑕疵保険の検査に合格する可能性が高いと考えられます。
「耐震基準適合証明書」では、既に住民票を移してしまっているので、住宅ローン減税は受けられません。

今回のケースの仲介会社(買主側)の不動産業者の落ち度は下記になります。
・売主が宅建業者なのに、既存住宅売買瑕疵保険の交渉をしていなかった。
・木造住宅の場合、所有権移転後の証明書発行になることが多いのに、通常の取引の流れで「新住所登記」を指示してしまった。
・築後年数要件を超える住宅の取引を行うのに、住宅ローン減税を適用するための方法を具体的に検討していなかった。
・耐震基準適合証明書を発行するためには、耐震改修工事が必要であることを買主へ説明していなかった。
となります。
不動産売買契約と住宅ローン減税の制度は直接の関係がないので、このようなトラブルの場合は「業務範囲外なので」と逃げる仲介会社が多く、買主が泣き寝入りするケースが多いと思います。

長々と事例をご紹介しましたが、今回のケースで得られる教訓は二つです。
一つ目は、仲介会社の言うことを鵜呑みにしないこと。
二つ目はメールなのでも良いので、住宅購入意思決定に関わるプロセスはなるべく履歴を残すこと。
一番最悪なのは言った言わないの状況に陥ることです。
また文中に記載した通り「税制に関することは、本来の不動産仲介業務の範囲ではない」ので、仲介会社からアドバイスを受けた場合は必ず履歴を残すことが大切です。

住宅ローン減税は早めの相談が一番です。
不動産売買契約後では遅すぎる場合があるので、買付申込のタイミングで、後工程について具体的に動き始めるようにしましょう。

以上、バイヤーズエージェントの小宮山でした。

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