日本は森林面積が67%と、国土の2/3が森林です。
これは現在の数字です。戦前やもっと古い時代では、森林面積はもっと多く、木材も豊富であり身近な材料でした。このため家を作ろうと考えれば、木材を使うのが当たりまえの選択でした。木材は腐るというイメージがありますが、実は乾燥させた状態であれば、非常に長持ちする材料です。世界最古の木造建築は法隆寺であり、1300年の歴史があり有名ですが、法隆寺まではいかなくても、神社仏閣を見ると100年単位で長持ちしています。

なぜ、神社仏閣は100年単位で長持ちするのでしょうか?
答えは、水回りと関係があります。神社仏閣の建物では、室内で煮炊きもしません、トイレや浴室はあったとしても別棟でした。つまり、湿気が家のなかで籠ることが無いように作られています。床は高床と呼ばれ地面から高い位置にあり、地面の湿気が及ばないように作ってあります。壁は柱と土壁や板壁で囲い、窓は障子や木製の雨戸で空間を構成しています。湿気が木材に及ばなければ、木材は長持ちします。
雨が一番の問題ですので、屋根材は高価な檜皮葺きや瓦などを使い、庇を長くして、建物に雨が掛からないように工夫しました。このように、湿気が建物に及ばないように工夫したことで、神社仏閣は長持ちしました。
実は古民家も同じような造りです。
床の高さのちがいや屋根材の違いはありますが、浴室やトイレは外または半分外にあり、台所は母屋の中でも三和土(タタキ)呼ばれる半分屋外のような空間にありました。このように、室内であっても室外と同じような環境(温度や湿度)であれば、結露と呼ばれる木材腐らせる湿気が建物を弱らせることはありません。ただし、室外と室内の環境が同じということは、夏は屋根があり日陰ができますので過ごしやすいですが、冬は寒さが非常に厳しいということです。
戦後、住宅難の中で質の低いバラックが大量に建設され、その後公団住宅などの大量供給型の住宅が造られました。公団住宅では、合理的な生活を目指した『ダイニングキッチン』と呼ばれる食寝分離の間取がつくられ人気を博しました。
一戸建の住宅でも、このダイニングキッチンの間取りで家ができ、煮炊きを室内で行い、お風呂やトイレは寒くないように室内につくられ、室内の湿気が高くなる環境になりました。また暖かい住宅にするために、壁には断熱材を入れ、窓には木製の窓からアルミサッシになりました。このことにより、さらに室内の湿気は増え、結露を起こす環境になってしましました。住宅の室内環境を快適にすればするほど、住宅の意寿命は短くなってきたのです。
高気密高断熱の住宅とは、壁・床・天井などに断熱材を使って高い断熱性・気密性を実現した住まいのことです。
断熱材を壁などに充填、または外側から覆って住宅の中と外の環境を分け、熱が伝わるのを少なくすることです。 住宅の隙間をできるだけ無くし、住宅の室内と室外の空気の交わりを断ち切ることで、ある程度は結露が発生しにくくはなります。気密性が高い住宅では、室内の空気が汚れてしますので、換気扇などの電気的な機械を使って、家の中の空気を最低2時間に1回以上換気するようになっています。
住宅の寿命は長くなってきましたが、維持するためには定期的なメンテナンスが必ず必要になります。構造が単純なものほど、壊れにくく長持ちします。
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私が在籍した住友林業では、木造の軸組み工法でしたので、新築の和風住宅も20年くらい前までは結構な数を施工していました。残念ながら現在では、新築の和風住宅はほとんど見ることがなくなってしまいました。和風住宅と言っても、外観の意匠上の違いで洋風住宅または和風住宅と呼んでいるだけで、建物の構造や断熱や設備仕様などの性能は全く同じつくりです。古民家のような昔のつくりとは全く別ものの建物です。
茶室には草庵風のものと書院風のものがあり、建築としては『数寄屋建築』と呼ばれています。言葉の起源はいくつもあると思いますが、素材の数を寄せることから数寄屋と呼んでいると聞いています。その言葉通り、茶室ではいろいろな木材を使い、その材料の独特な色や木目や形を愛でる文化があります。
数寄屋建築では、桂離宮が世界的に評価されとても有名です。

私の会社があるこの家は、築100年くらいの建物で、屋根はわら葺の上に青いトタンを被せた印象的な形をしています。夏はとても涼しく快適ですが、冬は身体の芯から寒く、日中は外よりも寒く感じます。構造としては、コンクリート基礎と呼ばれるようなものはなく、玉石の上に柱や束が直接載っています。そして太い柱と、梁や鴨居と呼ばれる横に渡した材料で支えています。耐震性は低いのですが、屋根が藁葺で軽いことが幸いして、地震では壊れずに現存しています。昔このあたりでは、みんなこのような青い屋根の古い家でしたが、今はこの家だけになってしまいました。

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実際に私が体験した話です。
埼玉のあるニュータウン分譲地で、障害があるお子様を抱えたご家族に、戸建分譲を購入していただきました。そのお子様の障害は自閉症でして、ときどき大きな声と床をドンドンと鳴らす癖がありました。その家の南隣地の戸建分譲を、ご夫婦ともにドクターでお子様2人の4人家族のお客様に購入して頂きました。
実は、この南側の戸建分譲を購入して頂けるお客様には、北側隣接の家のお子様の障害について、個人情報ですので具体的には話せないのですが、障害を抱えたお子様がいることは事前に伝えておりました。冬から春まではトラブルになりませんでしたが、夏に近づき暑くなり家の窓を開けるようになって、北隣接の家のお子様の大きな声と床を鳴らす音に、南隣接の家のお子様が非常に怖がりクレームとなりました。
その当時、私は何度も南隣接の家に伺いまして障害についてご理解を頂くように話しましたが、受け入れてもえず、最終的には「買い戻せ」まで話がエスカレートしました。最終的に、私どもの会社はまったく非がありませんでしたが、解決方法として、北側の家に会社からエアコンを無料で追加設置しまして、昼夜問わずに窓を極力開けないお願いをしました。
この南隣接のご家族ですが、この件が近隣に知れ渡り気まずくなったようで、結局は売却しまして他の分譲地に行かれました。金額的にもかなりの損失になったと思います。ドクターという職業から、ご自分のお子様に、障害は個性であるということを理解させるのにちょうど良い機会だったと思いますが、そのことに気づかなかったことに寂しさを感じました。

首都圏などの比較的小ぶりな分譲地でよくある話です。
戸建分譲と呼ばれる建売では、分譲地の区割りが出来上がれば、その区画に合わせて各建物の間取りを作り配棟計画をしていきます。配棟計画とは、建物の配置計画のことで、通常は1棟1棟違う間取りを置いていきます。この配当計画では、建売の長所となる窓の見合い(自分の家の窓を開けたとき、隣の家の窓が正面にきて、見合いになること)がないように工夫するのが当たり前のことで、プロジェクトを担当するプロジェクトリーダーは、設計担当者から上がってきた配棟計画を全て細かくチェックします。
エアコンの室外機の位置や給湯器の位置もチェックはしていますが、やはり戸数が増えてくると見落としが出まして、その見落で多いのが隣接建物の玄関アプローチ付近のエアコン室外機です。
道路から玄関に向かうアプローチで、そのアプローチのすぐ脇に隣家のエアコン室外機があると、その音と風や熱がクレームになります。当たり前ですが、せっかく購入した家に帰り玄関にちかづいたら、音がうるさくて風が来るなんて嫌ですよね。大きな敷地ではあまりないでしょうが、首都圏のように土地の価格が高いと敷地も広くできず、そうなるとこのようなクレームが発生します。区画によっては給湯器の排気の場合もあり、また裁判にもなりましたが、エコ給湯による低周波騒音は、夜間の静かな時の音なので健康被害をもたらし損害賠償請求にまで発展しています。
建売の場合であれは、事業者が施主なので、事業者に設計配慮不足のクレームとして申し出れば、良識のある会社は対応すると思います。しかし分譲地を購入して注文住宅で建てた場合は、基本的に施主の責任が追及されますので、小ぶりな分譲地の場合はご注意を。

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土地分譲とは、建物が建っていない土地だけの分譲地のことで、わかりやすいのですが、たまに『建築条件付き土地分譲』というものがあります。これは、『建売分譲(戸建分譲)』と呼ばれるものと混同されますが、建売とは全く違うものです。
建売とは、土地と建物をセット(一体の物)として売買契約を行うものです。当然、販売される(広告される)時は建築確認申請の許可を受けてあり、間取も決定しているので変更ができません。また建物の完成時期も決まっています。
一方『建築条件付き土地分譲』とは、土地は売買契約で契約しますが、建物は請負契約で行います。
詳しく説明しますと、建物については自由に打合せを行い、間取りや設備も自由です。しかし、建物を作る会社はどこでもよいわけではなく、決められた建築会社で建てなければならない条件がついているということです。この土地の契約に、決められた会社の建築条件をつけることは独占禁止法に触れてしまうため、以下のルールを設けて一般的に運用がされています。それは、①土地契約から3ケ月以内で建物の請負契約を結ぶこと②3ケ月が経過して建物の請負契約を締結できなかった場合は、土地の契約金や手数料も含めて全額を買主に返還することです。
このような条件が付きますが、自由設計で建てられるという魅力があります。
戸建分譲とは建売のことですが、首都圏では非常に多く供給されています。何故なのかと言いますと、首都圏では土地の単価が高くなりすぎて、土地を購入して注文住宅で建築となると、サラリーマンの年収では買えなくなるほど総額が高くなってしまうからです。
なぜ戸建分譲が注文住宅に比べて安くできるかと言いますと、注文住宅のように一戸一戸を別々の時期に建築して設備も仕様もバラバラで作る場合と違い、戸建分譲は何棟かまとめて一緒に工事を行い、設備や仕様もまとめて発注搬入することで、非常に効率よくできるからです。この発注や作業・施工の効率をよくすることで、かなりの金額がお安くなります。
戸建分譲の良いところは、街並みが綺麗に揃えられるということです。外構や植栽や建物の外観を統一感を持たせることで、分譲地のグレードアップが図れ、数年後に中古で売却する場合も高値で売却できるメリットがあります。ただし、このような統一感を持たせたグレードが高い分譲地の事業社は、大手デベロッパーや数社のハウスメーカーしか作っておらず、たいがいはパワービルダーやビルダーと呼ばれる建売業者の庭無し戸建が一般的なので、建売住宅というと悪いイメージがついてしまったと感じます。
山梨では土地の価格が安いので、注文住宅の場合でも、サラリーマンが購入できる総額の範囲内です。このため、グレードが高い戸建分譲地作る必要がなく、総じて建売は金額が安い植栽なしの魅力が低いものになっているのです。
統一外構の美しい街並み
植栽がほとんどないビルダー建売
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木造住宅とは、主要な構造部に木材を使うものを『木造住宅』と読んでいますが、大きく分けて、木造軸組み工法と木質工法(ツーバイフォー工法と木質パネル工法)とよばれる作り方があります。
木質工法のうち、ツーバイフォー工法と呼ばれるものは、1970年代に北米から日本に輸入され一般化しました。横幅が2インチ(約5センチ)高さが4インチ(約10センチ)の木製の角材を、畳一枚分くらいの木材のパネルの四隅と中桟に釘打ちすることで強度のあるパネルができます。そのパネルを、床や壁や屋根に組み合わせて、釘打ちによりパネルを繋げ固めて家を作り上げる工法です。
木質工法のうち木質パネル工法は、ツーバイフォー工法と似ていて、主に接着剤で固めて家を作り上げる工法です。
木造軸組み工法は、柱と梁で屋根を支える日本古来からある伝統工法です。昔は神社仏閣などの作りかたと同じでしたが、戦後さまざまな変化を遂げ、同じ木造軸組みでもハウスメーカー系の軸組みと、工務店がつくる軸組では、かなり違う工法に変化をしています。ハウスメーカー系では、木造軸組み工法でラーメン構造を作れるまで進化しており、大型の公共施設(小学校や老人ホームなど)も建築しています。
木造軸組み工法
ツーバイフォー住宅
鉄骨住宅は、主要な構造部に鉄材を使うものを鉄骨住宅と呼びますが、使う鉄の種類が軽量鉄骨と重量鉄骨とあります。また木造と同じで、壁をパネル化して組み合わせる構造や、重量鉄骨を使ったラーメン構造のものもあります。
コンクリート住宅は、主要な構造に鉄筋コンクリートを使うRC住宅とPC住宅があります。どちらも鉄筋入りのコンクリートが主要な構造部に使われますが、事前に壁や床などを工場で作成するものをPC(プレキャスト)と呼んでいます。
一般的に現場でつくるものを在来工法、工場でつくるものをプレハブリケイト(あらかじめ工作された)からプレハブ工法と呼んでいます。
まちの工務店や建設会社は、在来工法で鉄骨住宅や木造住宅をつくり、ハウスメーカー系は、在来工法よりもプレハブ工法が得意です。また、ユニット工法と呼ばれるような工法は、木造であっても鉄骨であっても、事前に工場でほとんどのものをつくり、トレーラーで運んで現場で組み合わせて一日で出来上がる住宅もあります。これもハウスメーカーが得意ですね。
現場でつくる場合でも工場でつくる場合でも、それぞれに長所短所はあるわけでして、工業化された住宅を好む人もいれば、手づくりを好む人もいると思います。しかし人口減少の日本では、大量生産の工業化メリットが、どんどんん小さくなっているように感じます。
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